頭のないメソを盗むムジナ
どんな伝承か
桶屋の正が化かされたという話を聞いた後、語り手は祖父と二人で船を借り、水の出ていたときに、今の渡し場から長町の樋管のちょうど間のあたりでメソを釣っていた。するとグチャグチャと、長靴に水が入ったような音がした。祖父にも聞こえたという。家で食べる分は十分に釣ったので引き上げ、ボテザルを担いで渡し場道を帰ったが、家に着くと一匹も入っていない。翌朝行ってみると、渡し場の道に頭のないメソが食い散らかされて落ちていた。ムジナに違いないと語られている。
原典より
そして明日夜明けてからの話だけど、行ったら、渡し場の道に頭のねえメソが食いちらかって落っこってんだよ。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。