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俵藤太が託した娘と小沼の主

所在地群馬県前橋市富士見町赤城山(小沼)
年代伝承
登場俵藤太秀郷、勢多五郎、道元、武子先生、伊勢参りの宿で勢多の唐橋のいわれを語った人、娘を譲り受けて育てた赤堀の酒屋、黒保根の医光寺で娘の着物を見たと話した先生
出典宮城村の民俗――伝説・口頭伝承

どんな伝承か

伊勢参りに出た勢多五郎は、近江の宿で瀬田の唐橋の話を聞き、故郷の勢多の唐橋のいわれを語った。赤城神社へ向かう俵藤太が湖に阻まれた矢田で、急に現れた橋を渡ると橋は消え、「ヤダ」と言ったのが地名の起こりという。カノエ塚では、ムカデ山の大ムカデに娘を奪われてきた婦人から子を託され、藤太は赤城神社に俵杉を植えたのち、その子を赤堀の道元の酒屋へ譲った。十六で熱病にかかった娘は小沼の水を望み、村人に担がれて沼へ行くと、霧の中で沼の中央に立って、小沼の白土を水下の田にかければ肥やしなしで稲が育つと恩を告げて沈んだ。以来、十六の娘は赤城へ登らぬものとされたという。

原典より

現在、わしらが戦前までは、娘十六は赤城へ登るもんではないということを、年よりがみんないって、登るものはなかったんだいね、娘は。—— 宮城村の民俗――伝説・口頭伝承(群馬県民俗調査報告書 第23集・群馬県民俗調査報告書) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

宮城村の民俗――伝説・口頭伝承(群馬県民俗調査報告書 第23集・群馬県民俗調査報告書)

『宮城村の民俗――伝説・口頭伝承』は、群馬県民俗調査報告書の第二十三集として宮城村の民俗をまとめた報告のうち、「口頭伝承」の章の「はじめに」と伝説・昔話の部分を収めたものである。赤城の麓の柏倉・三夜沢・鼻毛石・苗ヶ島・大前田などで聞いた話を、語り口を残した聞き書きと短くまとめた条とで記し、採集地を括弧で添える。俵藤太のムカデ退治や小沼の主となった赤堀道元の娘、地名や石の由来の伝説に続き、食わず女房や馬鹿婿などの昔話を並べる。

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