山の神と木を伐る音
どんな伝承か
群馬県上野村では、深夜山に行くと木を伐る音がするが、その音だけで実際には伐っていないという言い伝えがある。山の木を伐って下へ持ち出した際に足を切って死んだ者もあり、明治十二年には神木を伐ったために暴風雨が起こって十人ほどが生き埋めになったとも伝えられる。山の神を犯す者には必ず事故や罰が当たるとされ、村人から恐れられていた。
原典より
明治十二年に神の木を切ったら暴風雨となって十人程生き埋めになった。—— 群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書)
『群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異』は、上野村で行われた民俗調査の報告のうち、聞書と俗信の部分を収めたものである。川和・住居附・野栗・奥名郷・勝山・野栗沢などで聞いた講、病気の呪い、雨乞い、禁忌と兆、山の神とオコジョ、オサキや狐つき、狐やむじなに化かされた話、一ツ目入道や山姥を、話者や部落名を添えて記す。上野勇の聞書と、昭和二十三年に東部の部落を調べた関口正の報告が入り、井田安雄の「乙父の民俗」は書き出しだけが載る。