オコジョ(山オーサキ)
どんな伝承か
オコジョは山の神のお使いで、昔はたくさんいたという。廿日鼠を少し大きくしたほどの体で、リスのような毛色、耳は人の耳に似て、蛙に似た声で鳴いた。二坪ほどの所に山のように群れていたので石を投げると石の下へ逃げこみ、二匹を打ち殺すと、穴もない石の下に残りがみな消えてしまった。オコジョは山オーサキとも呼ばれ、家にいるオーサキと区別された。川和の黒沢直吉は二十五歳のころこれを食べたことがあるといい、毛が三本でも残ると生き返るので黒焼きにしなければならず、味はまずかったという。
原典より
そのうち二匹打ち殺したら、石の下には穴もないのに皆かくれた。—— 群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書)
『群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異』は、上野村で行われた民俗調査の報告のうち、聞書と俗信の部分を収めたものである。川和・住居附・野栗・奥名郷・勝山・野栗沢などで聞いた講、病気の呪い、雨乞い、禁忌と兆、山の神とオコジョ、オサキや狐つき、狐やむじなに化かされた話、一ツ目入道や山姥を、話者や部落名を添えて記す。上野勇の聞書と、昭和二十三年に東部の部落を調べた関口正の報告が入り、井田安雄の「乙父の民俗」は書き出しだけが載る。