人を化かすトーカの体験談
どんな伝承か
北総台地に位置し山林の多い成田市(旧大栄町)では、昔から狐をよく見かけ、これをトーカと呼んで人を化かす存在としていた。夜遅く帰るうちに家をとっくに通り越していたことに気づいた話や、蕎麦畑で女の人が着物の裾をまくり池を歩くような仕草をしていた話、祝言でもらった折り詰めが帰り道でいつの間にか中身を食べられてしまっていた話などが、体験談として語り伝えられている。
原典より
蕎麦畑に真っ白い花が咲いていたときのこと、その畑を通ると女の人が着物の裾をまくって「おー深い、おー深い」と声を出しながら、池を歩くような格好をしていた。—— 大栄町史 民俗編(大栄町) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大栄町史 民俗編(大栄町)
『大栄町史 民俗編』は大栄町の町史の民俗編で、ここに収められているのは第六章「ことばと生活」第一節「伝説」の部分だけである。北総台地にある町内の地区ごとに、源頼朝の鞍掛けの松、城主大須賀氏・伊能氏の話、弁天様と道祖神、狐・狸・河童・大蛇の話、作男や長者の話、古墳の埋蔵金の話などを伝える。伝説は歴史・神仏・動物・人物に関する伝説と「トーカとムジナの話」の五項に分けられ、末項では狐に化かされた体験とムジナの火の話を「〇」の箇条で並べる。