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夢の預金を下ろしに行った老人

所在地東京都文京区大塚(養育院)
年代19世紀〜大正
登場不明
出典變態心理と犯罪

どんな伝承か

ヒステリーや神経衰弱、酒毒におかされた人、あるいは老いた人には、夢で見たことを現実の出来事と信じ込んで動きだす例がある。小石川の養育院にいた六十過ぎの男は、早朝に門を出て電車通りを歩き、神保町から水道橋、神田橋を経て日本銀行の窓口に立ち、六百数十円の預金を下ろしたいと申し出た。通帳はなく、様子がおかしいので巡査が調べたところ、預金があると思い込んだのは前夜の夢によるものだった。男は我に返り、とぼとぼと養育院へ帰っていったという。同じ型で、夢に見た強盗を実際の被害として届け出た農婦の例も挙げられている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

變態心理と犯罪(中村古峽)

『變態心理と犯罪』は、雑誌『變態心理』を主宰した中村古峽による変態心理学の論集である。二重人格・夢遊病・狐憑き・神隠し・催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教の神懸りを妄想や人格変換として退け、霊能を称する火渡りや針刺しなどの実験の種を明かす。終わりには迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収め、著者自身の被験者や綾部の大本教訪問の見聞も例に引く。

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