天王様と水神の疫病除け
どんな伝承か
三反田の圷では、疫病からムラを守る神として天王様を祀っている。三反田の鎮守である新宮素鷲神社の末社にあたり、毎年六月ごろに流行り病が出るのを抑えるため、大子町から受けてきたものと伝える。祭りは六月で、当元に当たった者がお仮屋を設けて幣をささげ、神を移した。きゅうりの初物を供えると御利益があるとされ、供えるまで口にしない者もいた。夜には各戸が一人ずつ提灯を持ち、幣をかついで圷じゅうを回り、疫病が入らぬよう祈った。圷では水難除けの水神も百色山の上手に祀り、旧暦一一月一五日に別当を招いて祈禱を受け、冷酒を二杯ずつ飲んで祝った。
原典より
疫病からムラを守る神として、三反田の坏では天王様を祀っている。—— 勝田市史 民俗編――小祠の信仰と流行神(勝田市(編)・勝田市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
勝田市史 民俗編――小祠の信仰と流行神(勝田市(編)・勝田市史)
『勝田市史 民俗編――小祠の信仰と流行神』は、勝田市の市史の民俗編のうち、「信仰生活」の部の一部である。鎮守祭礼の移り変わりに続いて、屋敷神や同姓の家々で祀るウジガミと系図祭り、カマド神やエビス・大黒などの屋内の神々、病気や安産の祈願を集める小祠を、市域のムラでの調査と聞き取りによって記す。後半では流行神として上高場の六地蔵、腹切り佐七、塚信仰、東石川大島の無縁様を取り上げ、その由来と信仰の広がりをたどる。