お菊さま――蛇ぜめの奥女
どんな伝承か
中里に生まれたお菊は、小幡城の殿様の奥向きに上がって仕えた。ところが殿様の奥方の妬みを買い、蛇を使った責めにあって命を落とした。亡きがらは故郷の中里へ引き取られて葬られたが、のちにたたりが起きたため、小幡氏は五つの法名を贈って霊を弔ったという。墓のそばの堂には白い蛇がすみ、四月十九日に祭りが行われた。お菊の墓に願をかけると望みがかない、石塔を削った粉を飲めば病が治るとも言われている。
原典より
お菊は殿様の奥方にねたまれて、蛇ぜめにあって死んだ。—— 妙義町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第25集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妙義町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第25集・群馬県民俗調査報告書)
『妙義町の民俗――伝説・怪異』は、群馬県民俗調査報告書第二十五集『妙義町の民俗』のうち、年取りの習俗と口頭伝承を収めたものである。上高田・菅原・大久保・中里などで聞いた、お菊さま・一山和尚・爪引き地蔵、天神様や弘法大師ゆかりの石・井戸・池、大桁山や妙義山の天狗と大蛇の伝説と、屁の名人へっぴり関の話、死の知らせや火の玉、化かされた話などの世間話を収める。口頭伝承は昔話・伝説・世間話と怪異・諺と謎に分かれ、各話の末に聞いた土地の名を添える。