ヤマンボとタカンボー
どんな伝承か
奥名郷では、夜泣きをする子のもとには大きな男のヤマンボがやって来て、よい子なら大きく育て、悪い子なら高い岩の上から放り落とすといわれた。ヤマンボは権現岳の上で見つかったことがあり、岩棚にいたのを紐で引き上げたという。また、狐の化けたタカンボーは、タカブリヤマの裏手の穴で和尚と拝み比べをして負け、出歩かなくなった。ところが五百年の年季が明けて、昭和十三年ごろに再び姿を見せ、馬を引いて河原を歩き回り、魚を奪われた者もいたという。
原典より
タカンボー(きつねの化けたもの)と和尚とが、タカブリヤマの裏にある穴のところで、拝みっこをして、タカンボーが負けて出て歩かなくなったが、…—— 群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書)
『群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異』は、上野村で行われた民俗調査の報告のうち、聞書と俗信の部分を収めたものである。川和・住居附・野栗・奥名郷・勝山・野栗沢などで聞いた講、病気の呪い、雨乞い、禁忌と兆、山の神とオコジョ、オサキや狐つき、狐やむじなに化かされた話、一ツ目入道や山姥を、話者や部落名を添えて記す。上野勇の聞書と、昭和二十三年に東部の部落を調べた関口正の報告が入り、井田安雄の「乙父の民俗」は書き出しだけが載る。