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犬責めで白状した阿波の狸

所在地高知県長岡郡大豊町岩原
年代弘化元年2月12日七ツ時
登場長丞、野島馬三郎、植田十蔵、犬神使いと疑われた百姓、惣宰
出典二つの怪奇な心霊現象

どんな伝承か

荒療治で大部分は正気に返ったが、残る十人ほどは難物で、足軽が数頭の猛犬をけしかけると半死半生になった。十手や杖で打ちつけ、七ツ時(午後四時頃)になって、最も狂暴な五人がついに白状した。『我らは阿波の祖父山の内、国政村梅の宮に住む狸で、当村の百姓が同輩の長丞に悪感情を抱くのを見て、犬神と称して人々を惑わした。神職や僧侶の祈祷は平気だったが、お上の御威光による成敗には敵う力がない。赦免くだされば阿波へ立ち帰る』と願い出たという。

原典より

兎も角斯んな荒療治の結果、大部分は正氣に返りましたが、たど殘る十人ほどが難物で、邪氣退散の模様が見えませんので、足輕連中業を煮やし、數頭の猛犬をそれ等にけしかけましたから耐りません。—— 二つの怪奇な心霊現象(浅野和三郎・1940年(昭和15年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

二つの怪奇な心霊現象(浅野和三郎・1940年(昭和15年))

『二つの怪奇な心霊現象』は、浅野和三郎が著し、心霊科学研究会が昭和十五年に発行した記録で、昭和二十七年に再版された。前篇は弘化元年、土佐国長岡郡豊永郷岩原村で村人六十四人が狂乱し、祈禱が効かず藩の役人が空鉄砲と犬で取り押さえた事件を、野島通玄の記録『甲辰奇怪記』の現代語訳で紹介する。後篇は山梨県北巨摩郡穂坂村の旧家の娘かね代に曾祖父横森市兵衛の霊が懸かり、盗まれた不動明王の掛軸が戻った因縁を、著者の調査と甲州訪問記を添えて述べる。

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