古墳発掘現場で道を見失う怪
どんな伝承か
二十五歳のKさんが、何年か前に市之代の古墳発掘を手伝っていたときの体験。用を足すため仲間と二人で現場を離れ、藪をかき分けて十五から二十メートルほど進んだ。連れが先に戻ったあと、自分も戻ろうとすると帰り道がまったく分からなくなり、見当をつけて歩くたびに違う場所へ出てしまった。大声を出せば届く距離だと自分に言い聞かせながら藪をさまよい、ようやく現場の皆の声が聞こえたときは心底ほっとしたという。もっと広い場所なら神隠しや狐の仕業と言われたかもしれないと語られる。
原典より
帰り途がわからなくなり、ハテこっちだろうとトコトコ行って見たら違ったとこに出たのです。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。