トップ > 神奈川県の伝承 > 箱根町

山寺の怪

所在地神奈川県足柄下郡箱根町湯本
登場不明
出典日本の怪談

どんな伝承か

紀州から江戸の藩邸へ向かう途中の武士が、箱根の湯本温泉の宿で主人と碁に飽き、裏庭から渓川の向こうの、天鵞絨のように木の茂る低い山に登ろうと言い出した。主人は、あの山は夕方を過ぎるとお山の方々が遊ぶ所で、知って入れば咎めがあると必死に止めたが、武士は紀州侯の家臣が天狗や木精を恐れて引き下がれるかと笑って出かけた。土橋を渡って小道を上ると、枝から鎌首をもたげる縞蛇に出会い、次には下駄で太い黒い大蛇の胴を踏み、蛇は尾の切れた傷痕を見せて消えた。篠竹と木の絡む道を押し分けて進むと、峰の手前に色とりどりの花が咲き小鳥の鳴く美しい窪地が開けた。

原典より

其処には三尺まわりもありそうにおもわれる黒い鱗のぴかぴか光る胴体があった。—— 日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・1985年(昭和60年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・1985年(昭和60年))

『日本の怪談』は、田中貢太郎の怪談を昭和四十五年桃源社刊『日本怪談全集』から抜き出した文庫本で、昭和六十年十二月に河出書房新社から発行された。「宝蔵の短刀」「八人みさきの話」など土佐の城下や村の話をはじめ、江戸・京・吉野などを舞台にした幽霊・狐狸・猿・魔物の話を、会話の多い語り口で収める。二十七篇の後に尾崎秀樹の解説を付し、高知に生まれた作者の生涯と怪談・妖異譚への傾倒をたどっている。

種別から探す

天狗禁忌警告大蛇

箱根町の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本の怪談』の伝承