位牌の布に浮かぶ供養されぬ人の顔
どんな伝承か
取手市のある家で、六月の初め、亡き主人の位牌にかけた白布に薄墨で描いたような人の顔が浮かび上がった。母親が最初に気づき、子供たちに尋ねると以前から見えていたという。僧侶が調べると、八十近い老人と赤ん坊、着物姿の娘の顔が見えた。戸籍を調べたところ、供養されていない先代の老人、夭折した赤ん坊たち、行きずりで子を産み若くして死んだ娘がいたことが判明し、供養すると約二カ月で顔は消えたという。
原典より
そしたら見え出したのが八十近い人のお年寄の顔がくっきり。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。