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藤づるで折られた水神の潜牛の角

所在地茨城県北相馬郡利根町大字布川押付本田
年代伝承
登場五十嵐角右衛門、角を押付本田へ返した当番の家の主
出典利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説

どんな伝承か

大平村の権現さまが押付本田の沼で釣りを楽しんでいると、沼の主である押付本田の水神さまが腹を立て、潜牛にまたがって現れて釣竿を奪おうとした。権現さまはそばの藤づるをつかんで投げつけ、潜牛の右の角に巻きつけた。二人が力まかせに引き合ううちに角が折れ、双方とも後ろへ転げた。押付本田の水神さまの潜牛に右の角がないのはこのためだという。権現さまは折れた角を持ち帰り、大平村では村の宝として木のうろに隠し、大平神社の祭礼の日だけ取り出して供えた。盗まれるのを恐れて宿の持ち回りにしたが、五十嵐角右衛門家の当番のときに押付本田へ返したと伝わる。

原典より

このようなわけで、押付本田の水神さまは右角のない潜牛に乗っているのだということである。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)

『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。

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