徳満寺の地蔵に投げ落とされた博打打ち
どんな伝承か
布川の徳満寺の地蔵は、毎晩町を歩き回って人々を守っていると言われていた。博打打ちの九はそれを信じなかったが、ある夜中、編笠をかぶって一軒ずつ家をのぞいて回る怪しい男を見かけ、そっと後をつけた。男は徳満寺の下まで来ると、恐ろしいほどの速さで石段を駆け上がった。九も急いで追ったが、あと一段というところで何者かに持ち上げられ、下まで真っ逆さまに投げ落とされた。それでも九はかすり傷ひとつ負わなかった。あれは地蔵さまだと悟った九は博打をやめて頭を丸め、生涯を地蔵さまに仕えて過ごしたという。
原典より
徳満寺のお地蔵さまは、毎夜、町中を歩き回り、町民たちをお守りしているということである。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。