夜ごと説教して斬られた石地蔵
どんな伝承か
横須賀の新館中学校の前に、額に三本の刀傷が残る石地蔵がある。横須賀のある若者が立木で博打を打った帰りにここを通ると、そのたびに地蔵が夜ごと人の姿になって現れ、説教をした。腹に据えかねた若者が斬りつけた跡がこの傷だといい、若者はそれからは立派な人物になった。若いころの彼は横須賀の北沢鶴寿園の塾に通う豪傑肌で、叱られて外へ飛び出し、庭の井戸に入って大の字のまま一日じゅう涼んでいたという話も残る。鶴寿園は上會根の勝村家から婿に来た人であった。
原典より
新館中学校の前に、額に刀傷を三本持った石地蔵がある。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。