鶴番役人の恨みと三家族の打ち首
どんな伝承か
江戸時代、押付新田には鈴木佐左衛門の一家と分家の二家族が暮らしていた。その一人のお雪は評判の美しい娘で、鶴番の悪役人群平に見初められて結婚を迫られたが、きっぱり断って恨みを買った。お雪の親戚の十五歳ほどの少年牛助は、母が肺病に似た難病にかかり、鳥を食べさせれば治ると聞いて鶴を捕らえて食べさせた。実は鶴ではなく白鷺だったともいう。群平はこれを種に一族を捕らえ、三家族十人がそろって打ち首にされたと伝わる。
原典より
この事がもとで、恋のうらみをもつ群平のために捕えられ、三家族全員一○人が打ち首の刑になったという。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。