第六天様(古利根川の大蛇)
どんな伝承か
古利根川を、太い丸太のような蛇がさあっと通っていくことがあった。風もないのに大きな波が立ち、その蛇が川を行き来すると、土地の者は第六天様が来たと言い合った。話者の家の南西には三階建てほどの高さの櫓が組まれていて、そこから古利根川がよく見渡せた。櫓のまわりにはしばらくのあいだ松の木が三、四本残っており、その場所を第六天様と呼んでいたという。
原典より
風もないのにワッサワッサと波が起きて、その蛇が行ったり来たりすると、土地の者は「第六天様が来た。」といった。—— 八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史)
『八潮市史 民俗編――伝説・怪異』は、埼玉県の『八潮市史』民俗編から伝説の部分を収めたものである。市内の各地区で聞き取った稲荷火や狐の嫁取り提灯、狢・河童・蛇の話、徳川家康の鷹狩りにちなむ地名や塚の由来、地蔵や人魂、念仏橋の話を、話者の言葉づかいのまま地区名を添えて並べる。概説のあとに自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三つに分け、話の群ごとに『日本民俗事典』や『武蔵の伝説』などを引いた参考を付ける。