鎮魂帰神法の施術儀式
どんな伝承か
大本教の鎮魂帰神法は、在来の神道や真言・法華の加持祈祷とほとんど変わらないと著者はいう。受ける者は端座して両足の親指を重ね、両手の指を組んで人差し指だけを伸ばし、目を閉じて心を静める。審神者も同じように手を組んで相手の眉間を見つめ、組んだ手を頭上に掲げてうなり声で気合をかけ、「ひと、ふた、み…」と古い数え言葉をゆっくり唱える。手が震えだせば神懸りの兆しとされ、何が憑いているかと問い詰めると、深く入った者は天狗や白狐を名乗り出す。著者は、単調な音で意識をぼんやりさせる催眠術とまったく同じ仕組みだと説いている。
原典より
次に(三)被術者が審神者の問に應じて、『吾は白狐である』とか「天狗である』とか云ひ出すのは、これ單なる暗示に基く人格變換に外ならぬ。—— 變態心理と犯罪(中村古峽) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽)
『變態心理と犯罪』は、雑誌『變態心理』を主宰した中村古峽による変態心理学の論集である。二重人格・夢遊病・狐憑き・神隠し・催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教の神懸りを妄想や人格変換として退け、霊能を称する火渡りや針刺しなどの実験の種を明かす。終わりには迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収め、著者自身の被験者や綾部の大本教訪問の見聞も例に引く。